イソナイト処理がもたらす強靭な耐磨耗性、そして耐かじり、耐焼付性の向上は、摺動部分の耐久性を飛躍的に改善し、産業界全体に幅広い波及効果をもたらしています。
イソナイト処理をした鋼材表面層の化合物層は、硬度が高く、緻密な非金属的性質となるため、摩擦係数は、μs=0.05〜0.12と極めて低く、また、最表面は初期磨耗で滑らかになり、相手になじみやすい性質を持っています。これらの複合効果により、極めて高い耐磨耗性が実現します。また、焼付限界荷重も非常に高くなるため、たとえば従来では軸受材の使用が不可欠であったのに対し、構造材そのものによる一体化も可能になるなど、画期的な合理化を図ることが出来ます。
●処理工程
脱脂 → 予熱 → イソナイト処理 → 冷却→ 洗浄 → 防錆処理
●対象鋼種 
あらゆる鉄系金属(普通鋼、構造用合金鋼、工具鋼、高速度鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、鋳鋼、鉄系焼結金属等)
●特長
低温処理(580℃、A1変態点以下)のため、歪み・変形が少なく、高硬度でしかも強靭。短納期による処理が可能。
●効果  
耐磨耗性の向上・耐疲労強度の向上・耐焼付性の向上・耐蝕性の向上・耐熱性の向上 優れた経済性を創出(強度増大により、製品の小型化が可能。低品位鋼材への移行による材料費の削減。工具・金型等の寿命改善によるコスト低減・工数削減)
●具体的な製品例
二輪・四輪関連商品(クランクシャフト・カムシャフト・ギヤー・エンジンバルブなど)一般機械部品、ベアリング保持器、アルミ押出し用ダイス、家電部品
●イソナイト処理の優位性
イソナイト処理によって形成される化合物層は、硬度が高く、しかも非金属的性質を持っています。この処理をほどこすだけで耐磨耗性のみならず亜鉛メッキやユニクロメッキよりも優れた耐食性の効果を発揮します。
●QPQ処理(イソナイト処理プラスα)
浜松熱処理工業では、表面処理後に他の処理を付加する複合処理についても独自の技術を確立しています。そのひとつがQPQ処理と呼ばれるものです。イソナイト処理した製品を塩浴焼入れしたのち研磨し、これを再び加熱された塩浴に浸漬する方法です。QPQ処理はイソナイト処理の効果を一段と加速させるもので、耐摩耗性はもとより、耐食性においても硬質クロームメッキ以上の特性を発揮します。